新しく理事1名追加予定です。社員と兼任した方がよいか

まず、医療法人の理事と社員についてですが、
株式会社に置き換えると分かりやすく説明します。

医療法人の理事と社員について

理事は取締役、社員は株主に当たります。

理事は、医療法人の一般的な経営業務を処理します。

一方、社員は、社員総会で、医療法人の重要な事項(理事の選任、定款変更、退職金の支払い等)を決議する権限があります。理事長を理事職から解任する権限も理論的には含まれます。

そして重要なのが、株主と違い、医療法人の社員は出資額にかかわらず1人1票の議決権を持つ事です。
(医療法第四十八条の四  社員は、各一個の議決権を有する。)
社員が3人ならば3分の1の、4人ならば4分の1の決定権を持ちます。

つまり、社員総会で社員の過半数を院長の身内や絶対信頼できる方で固めないと思い通りの経営ができないことになります。

まとめ

以上を踏まえて、
新理事が、
1、理事であり社員でもある
2、理事ではあるが社員ではない
2つの場合について考えます。

1、理事であり社員でもある

①メリット
  医療法人の社員数に関しては、各都道府県から3名以上にしてほしいとの指導が出ています。
  他に社員の当てが無い場合、新理事を社員にすれば、手続が早く進む可能性があります。
  ただ、現理事3名が社員も兼任していることが大半なのでこのメリットが必要な法人はすくないでしょう。

②デメリット
上記の通り、社員の権限は強いので、院長先生と新理事の関係が悪化した場合、医院の経営に支障をきたすおそれがあります。

2、理事ではあるが社員ではない

①メリット
社員を院長先生の身内で固めて、経営を円滑に進める事が出来ます。

②デメリット
社員の当てが新理事以外に無い場合、法人化の手続が停滞するおそれがあります。

結論

まとめますと、
院長先生の身内や絶対に信頼出来る知人等で社員を確保出来るのであれば、
新理事を「2、理事ではあるが社員ではない」という扱いにした方が、
今後のトラブルを避ける上で有益かと思われます。
宜しく御検討をお願い申し上げます。